テーブルトークD&Dの昔の話

テーブルトークのD&D(AD&Dではない)で思い出したことを書いておく。以下は昔の記憶による記述もあるが、大筋では間違っていないはず。

ワイトは「プロテクションフロムイービル」の呪文で守られたキャラクターを攻撃できるか?

ルールの解釈について。ただし、ルールとして自然なのはどちらだろうかという議論。最終的には各マスターの判断になる。

「D&Dがよくわかる本」の中で、「プロテクションフロムイービル」の呪文で守られたキャラクターが壁となってワイトの行動を封じるという記述があった。ワイトは「プロテクションフロムイービル」で守られたキャラクターを攻撃することはできない。キャラクターからワイトを攻撃すると呪文は解けてしまうが、壁に徹すればそうはならない。攻撃は後列にいる他のキャラクターの飛び道具に任せるというわけだ。

このルール解釈はおかしいと思う。D&Dベーシックとエキスパートルールブック(80年代)から引用する。上段は「プロテクションフロムイービル」、下段は「ワイト」の説明。

魔法にかかった生き物はクレリックにふれることさえできない! ここでいう魔法にかかった生物とは、それを殺すのに魔法の武器が必要なものを言う。銀の武器によってしか死なない生き物は対象外。

ワイトは、…、これを攻撃できるのは銀の武器か、魔法の武器だけである。

筆者の解釈では、ワイトは銀の武器で攻撃できるので「対象外」にあたる。つまり「プロテクションフロムイービル」で守られたキャラクターを攻撃できる。

「D&Dがよくわかる本」の解釈はこうなのだろう。ワイトは「銀の武器によってしか死なない生き物」ではない。なぜなら魔法の武器でも攻撃できるから。したがって「対象」である。でもこの解釈は無理がある。

魔法の武器を受け付けないが、銀の武器なら攻撃できる生物というのはいるのだろうか。いないのであれば、ルールの存在意義がない。いたとしても、そのような非常に珍しいトリックスターについてベーシックルールで言及するだろうか。

ワイト部屋に他人のPCを閉じ込める

ワイトというと、ドラゴンマガジン(新和が出版した80年代の雑誌・B5ノートのサイズ・オフィシャルではないほう)のリプレイを思い出す。ワイト部屋に勝手に突撃したPC一人を残した状態で、ドアに魔法の鍵をかけてほかのメンバーは立ち去った、という場面があった。その後、いろいろな意見が誌上で飛び交った。筆者の意見はこうだ。なお、突撃したPCのプレイヤーに同情しているわけではない。

閉じ込めたのは、魔法の鍵をかけたミユキの単独行動ではない。ミユキと以前から親交のあるタッカーとシャルーバッシのプレイヤー(キャラクターではない)、そしてマスターも関与している。ミユキのプレイヤーは三人から支持を得られる、すくなくとも反発はないと確信していただろう。以心伝心ということだ。何度も一緒にロールプレイしていればそうなるはずだ。三人は自分の手を汚さずに望みをかなえたことも指摘しておく。

ステーキにカルピスをかけて食べてもかまわない

これは大貫昌幸氏の表現だったはずだが、筆者もその通りだと思う。なんの話かというと、プレイスタイル・楽しみをどこに求めるのがよいのかという話だ。他人から見て奇異であるとか、少数派であるとか、正統派でないというのは関係ない。他人に食べさせるわけではない限り、気にする必要はない。

現実にはすんなりいかない。ステーキが各自の皿に個別に盛られていれば問題はない。しかし、大皿に盛られたひとつのステーキを一緒に食べざるを得ないこともある。ソースあるいはカルピスをある程度は共有せざるを得ない。上記のワイト部屋閉じ込めの背景もそういうことだろう。

最近はコンピューターゲームでも同じ問題が生ずるようになってしまった。この件は気が向いたら続きを書く。