「日本語の乱れ」の原因は少子高齢化

以下は新聞の読者投稿欄から引用した。記名も引用するのが一つのセオリーではあるが、ネット上への引用は原著者の想定外と判断して控える。


引用始まり

2017.2.15 (水)読売新聞・朝刊12面
「ら抜き言葉」に不快感

(省略)

日本語は大いに乱れている。
言葉は時代と共に変わるというのはへりくつだ。歴史ある美しい文法を無視し、勝手な使い方をしたなら、日本語は滅びかねない。

(省略)

引用終わり


「歴史ある美しい文法」とはいつからの歴史なのか。原著者の生年に依存する歴史ではないのか。そのようなインプリンティングに関心を持つ若年世代は、商売人・特殊詐欺犯・相続人ぐらいだろう。

90年代の終わりごろから、「ら抜き言葉」や「日本語の乱れ」を指摘する声が大きくなったように思う。以前より落ち着いた気もするが、いまだにそういう声はある。どうしてこうなったのか。

事象ではなく認識が変化したのではないか。日本語の揺らぎは従来からあったが、特に大きくなったわけではない。揺らぎを不快と感じる人の比率が高まったのではないか。つまり、少子高齢化のあらわれだ。

以上に反論もあるだろうが、その反論の言葉はサルの叫びや古語の否定の上に成り立っている。日本語に限らず、言葉はいつも滅びてきた。そうでなければ、いまだに古語を使っている。それどころではなく、人類は誕生していない。

言葉が乱れていると感じるのは長生きできた証拠だ、と思ってあきらめよう。