くやしいなら、地道な努力をすべきである

引用始まり

2019.9.1 (日)読売新聞・朝刊24面・書評
「帝国」ロシアの地政学
小泉悠 著
評・篠田英朗

(省略)

また、プーチン大統領によれば、ロシアやアメリカ、さらに中国やインドは主権国家だが、日本やドイツは主権国家とは言えないのだという。自己決定への制約が大きいからだ。

(省略)

引用終わり


日本はアメリカに比べれば自己決定への制約は大きいだろう。それは日本にとって望ましいことではない。したがって、自己決定への制約を小さくしようと努力すべきである。

とは言え、今ある問題は待ってくれない。日本が主権国家であることに疑問がわくような行為をしていいのか。そうした行為自体が国益にマイナスかもしれない。しかしそれを避けようとして、より大きな国益を失うとしたら本末転倒である。

日本が主権国家ではないと言われたら腹立たしい。そういう感情を否定するわけではない。むしろ、尊重すべきだ。しかしながら、腹立たしい意見に条件反射してはいけない。自己を損なってしまう。もしかしたら、相手の思うつぼかもしれない。