PC-9801をこれから手に入れようとする人がいるかもしれない。筆者はPC-9801に関しては99%ゲームユーザーなので、正確な知識にもとづく情報は他のサイトにまかせたい。
今のパソコンとは違うことがらも多い。フロッピードライブのアクセスランプが点灯している時に、フロッピーディスクを取り出したり電源を切ったりすればフロッピーディスクは壊れる。かつては言うまでもない当然のことだったが、今後は常識ではないだろう。そのようなことを、もらさずに説明することはできない。PC-9801について初めての人が以下の記事だけで手を出すとやけどをするかもしれない。
そのうえで、筆者の持つ1980年代後半~90年代前半のソフトをターゲットにするという前提で参考意見をメモしておく。以下に挙げたPC-9801実機は筆者が使用したものに限定している。
PC-9801(を含めたレトロパソコン)以外という選択肢もある
昔のゲームは想像あるいは記憶以上に面倒くさく、つらいかもしれない。撤退しやすいように小さい予算から始めるほうが無難だ。
それと、実機と周辺機器の価格は最近のパソコンやゲーム機と単純に比較できない。四半世紀前の骨董品はいつ壊れてもおかしくないからだ。全壊までいかなくてもトラブルは多い。このことは筆者が身をもって体験した。
なので、まずはレトロパソコン実機以外という選択肢から試すことをすすめる。(ただし、筆者は現時点でプロジェクトEGGと Steam で購入したことはない。)
- プロジェクトEGGを利用すれば、Windowsでプレイできる。タイトルに制限はあるが、ファルコム・システムソフトなどであれば期待できる。
- 旧光栄作品の一部は Steam で配信されており、Windowsでプレイできる。未配信タイトルでもじっくり待てば期待できるかもしれない。
- タイトルによっては最近のハードに対応するリメイク版があるかもしれない。
- 海外ゲームの場合、英語版やフリー版があるかもしれない。信頼性は各自で判断されたい。
PC-9801DA(80386、5インチ、FM音源あり)
- 処理速度が80286よりも速い。
- 処理速度が速すぎて、1990年ぐらいまでの古いゲームはできない場合がある。起動ができても安心できない。例えば「三国志2」は君主の選択までは問題ないが、「それではゲームスタートです」という表示でフリーズしてしまう。
(私見だが、アクションゲームにはこの問題が起こりにくい。処理速度の考慮がされているからだろう。)
- V30モードを使えば前項は解決するはず。でも80286よりも遅くなってしまう。
PC-9801DX(80286、5インチ、FM音源あり)
- 全くできないゲームというのは、たぶんない。
- 処理速度が80386に比べて劣る。ゲームによっては苦痛。
PC-9801RX(80286、5インチ、FM音源なし)
- FM音源はないので、効果音のみで音楽はなしというゲームが多い。それ以外はDXと大差ない。
- オープニングとエンディング程度しか音楽がないゲームなら、ほとんど問題ないだろう。
- 例:「大戦略2スペシャル」・「SUPER大戦略98(スーパー)」「マスター・オブ・モンスターズ2」・「リーチ・フォー・ザ・スターズ」・「ダンジョンマスター(無印)」・「続ダンジョンマスター・カオスの逆襲」
・「ポピュラス」・「パワーモンガー」
- 意外にも、ほとんどのファルコム作品は何とかなる。たいてい音楽が鳴るはず。FM音源と聞き比べなければ悪くはない。
- 古い記憶だが、「魔導物語1-2-3」は音楽が鳴ったはず。
- 音楽の問題はFM音源ボードを取り付ければ解決する。ただし自力で取り付けるためには、素人を排除するトラップをクリアする必要がある。
5インチのフロッピーディスクドライブ
かつての筆者の感覚では、ソフトをやや入手しやすい。今はもう3.5インチと大差ないかもしれない。
セーブデータ用の未使用ディスクやクリーナーなどを入手しにくい。
3.5インチのフロッピーディスクドライブ
かつての筆者の感覚では、ソフトをやや入手しにくい。今はもう5インチと大差ないかもしれない。
5インチと比べれば、セーブデータ用の未使用ディスクやクリーナーなどを入手しやすい。
ハードディスクは必要か?
ハードディスクの入手と使用は、本体のそれよりもハードルが高くなる。たとえば電源を切る前にあるキーを押しておかないと、ハードディスクが壊れてしまうこともある。どのキーなのかを調べられないようなら、手を出すべきではない。
PC-9801のハードディスクは四半世紀前の骨董品であり、買って一か月で壊れてもおかしくない。なので、筆者は「変換番長」という代替品を使うようにした。ハードディスクの代替品を使うことには、貴重なフロッピードライブの消耗を抑えるという効果もある。くわしくは「 PC-98 ハードディスク 代替 変換」などで調べてほしい。
ただし、外付けの代替であればSCSIインターフェースボードが必要になる。ボード取り付けの際はFM音源ボードと同様のトラップがある。内蔵の代替であっても、やはり簡単にはいかない。
また、ハードディスクの使用にはある程度のMS-DOS知識が必要になる。ゲームの説明書だけでは分からないかもしれない。まだハードディスクが一般的でなかった1991年ぐらいまでは、特にそうである。例えば、下記のようなコマンドや概念が扱えないと困るかもしれない。
- ディレクトリを作る。
- カレントディレクトリを変更する。
- ワイルドカードを使ってコピーする。
しかしながら、下記のタイトルはハードディスクがないと苦痛だろう。
- マイト・アンド・マジック3
- トンネルズ&トロールズ・カザンの戦士たち(ゲーム自体が厳しいので環境だけでも整えたい。)
- ソードワールドPC
- シヴィライゼーション(無印)
- マイト・アンド・マジック・ダークサイド・オブ・ジーン(DOX)(ハードディスク専用版かCD-ROM版になる。フロッピーディスクではプレイできない。)
下記のタイトルはハードディスクのほうがいいが、フロッピーディスクでもなんとかなる。
- ウィザードリィ・ベイン・オブ・ザ・コズミック・フォージ(BCF)
- {あやふやな記憶と推定によるが、}ブランディッシュ2
- マイト・アンド・マジック・クラウズ・オブ・ジーン(COX) (フロッピーディスク専用版とハードディスク専用版が存在する。)
{推定}マイト・アンド・マジック・ダークサイド・オブ・ジーン(DOX) (フロッピーディスク専用版とハードディスク専用版が存在する。)
下記のタイトルは大差ない。
下記のタイトルはフロッピーディスクでのプレイをしていない、もしくは思い出せないので不明。
- ブランディッシュ3
- 大戦略4
- 項劉記
- プリンセスメーカー(無印)
- 卒業(無印)
- ジョシュア
最近発売のモニタでも、PC-9801に対応している場合がある
無条件ではない。くわしくは別記事を参照してほしい。