Koryuki
説明書の不備(PC-9801版)
- 説明書には書いていないが、強行軍をすると敬慕度は下がる。
- 説明書とは異なり、「酒宴」をしても疲弊度は下降しない。
- 説明書とは異なり、自勢力の他君主に援助しても親睦度は上がらないはず。
外交・懐柔成功率についての推測
一般には、「項羽の場合、脅迫が成功しやすい」とされているが、すくなくともPC-9801版では疑わしい。(検証1、検証2) 劉邦の場合は未検証だが、同様だと思う。
- 初級・項羽の懐柔成功率は「脅迫」・「金を贈る」ともに、約3分の2
- 中級・項羽の懐柔成功率は「脅迫」・「金を贈る」ともに、約2分の1(初級と上級の中間のはず)
- 上級・項羽の懐柔成功率は「脅迫」・「金を贈る」ともに、約3分の1
- すくなくともPC-9801版では、「脅迫」と「金を贈る」で項羽の懐柔成功率に違いはない。
お断り
筆者は項羽でしかプレイしていない。
評価・特徴
ひとこと評価は「評価二分」とした。
自由度は高く面白い。テーマも希少だ。反面、詰めの甘さや調整不足がある。
ターン制のシミュレーションゲームでアクション性はない。システムは、同時期の光栄シミュレーションゲームとは一見すると違う。最初はとまどうかもしれないが、慣れれば難易度も含めて難しくない。シナリオによるが、プレイにかかる時間はそれほど多くない。
舞台は秦崩壊後の中国。プレイヤーは項羽か劉邦のどちらかを選ぶ。領国ではなく都市ごとに内政をする。都市間の移動はメインマップで行い、敵との戦闘時には戦闘画面になる。
内政・戦闘は各軍隊ごとに行う。各軍隊には複数の人物を配置できる。各能力のすべて高い人物が優秀なのはもちろんだが、ひとつの能力だけ高い人物を組み合わせて各自の能力を発揮させることもできる。「天下統一」系の影響を感じる。
特徴として、項羽と劉邦による直接の支配を受けない勢力が多い。例えば王となった韓信は、劉邦側の勢力ではあるものの劉邦プレイヤーが直接操作することはできない。
敵だけでなく味方であっても直下勢力以外には、 “fog of war” が表現されている。正確な兵力が分からなかったり、位置が分からないこともある。
新しいことに取り組んだせいなのか、随所に未熟を感じる。説明書には不備が多い。知られている攻略情報でも本当かどうか疑わしいものがある。品質よりも納期を優先したという印象だ。
光栄のシミュレーションゲームは、キャラクターゲームだと思えば楽しめる。「史記」などで背景知識を得ればさらに面白くなるだろう。
使用したソフト
1993年光栄製。
使用したハード
PC-9801DA(CPUは80386・20MHz)。
ハード条件
PC-9801VM以降・PC-286、386、486に対応。2ドライブ必要。メモリは640KB必要。400ラインモニタが必要。ハードディスクに対応。その際はMS-DOS3.10以降が必要。なお、製品フロッピーディスクは4枚。FM音源に対応。
外付けのフロッピーディスクドライブでの動作は保証していない。
攻略情報
最低限のヒント
敬慕度はなるべく高く維持したい。君主の評判のようなもので、いろいろな場面に影響する。
各能力値の高い人物をなるべく別軍隊に分けて配置する。用兵力80以上の人物がいる軍隊は、メインマップでの移動力・戦場での機動力が上がるので、特に重要。(このゲームの用兵力80と79の人物の能力差は大きい。大きすぎる。)
このゲームが初めてで、慣れるための試しをしたい場合
シナリオ3・初級・項羽で表示する
以下にあるシナリオ3の攻略コメントも参照。
項羽でのシナリオ別難易度・コメント・攻略記事へのリンク
シナリオ1 | なれれば楽。まず斉を高密から討伐。表示する | 初級 |
中級 | ||
上級 | ||
シナリオ2 | やりがいのあるシナリオ。シナリオ1と違うのは、劉邦はすでに東進してきていること。表示する 敵をうまく分断・陽動して各個撃破したい。 | 初級 |
中級 | ||
上級 | ||
シナリオ3 | やり方がわかれば一番楽。表示する | 初級 |
上級 | ||
上級2 | ||
シナリオ4 | 項羽・劉邦・韓信の手番は6パターン。項羽の強さを信じれば勝てるチャンスはある。 | 初級 |
上級 |
軍隊
- 軍隊数には上限がある。都市数が多いほど多く持てる。
- 主力はできれば4~5軍隊で構成したい。4軍隊ないと敵を包囲しづらい。
- 1軍隊に所属できる人物は最大5人。いつでも登用できるように空きを作っておく。
- 武装度は100近くにこだわる必要はない。低くなければいい。戦闘のスタイルにもよるが、一つの目安として50以上。
- 敵の隠蔽軍隊の存在は君主情報で見破れる。敵の軍隊数が3なのに2つしかマップ上にないなら、隠れているということだ。
- 再編成をうまく利用する。
- 例えば、士気が100の軍隊と80の軍隊があるなら、一般には平均化するほうがいい。そのほうが両方100に達する時間は短いはず。
- 最大数の入力ができれば楽でよかったのだが、いちいち手入力しないといけない。もっと古い光栄ゲームでもできていたのに、なぜ配慮できなかったのか。
内政
- 敬慕度上昇が目的なら、内政時に能力値はあまり関係ない。兵数は多いと金がかかるので、少なくていい。内政コマンドを行う軍隊数が重要。
- 内政に力を入れていれば、かなりの兵数を確保できるようになる。「首都」の項も参照。ただし、兵糧をどんどん消費する。後方から補給するなど対策がいる。
- 都市の友好度が100になると、「分配」ができなくなる。敬慕度を高めるために使いたいのだが…。
首都
- 設定イベントは1月と7月にある。12月や6月に軍師などが助言してくれるが、それでは間に合わないかもしれない。あらかじめ候補都市(項羽であれば彭城など)の近くに戻る。支持率も高く(たぶん80以上)維持しておく。
- 首都からはかなりの人数を徴兵できる。人口と支持率が高ければより効果的。ただし、一回徴兵すると当分は徴兵しても募集兵はゼロ。しかも、コマンド実行済みになってしまう。(通常は徴兵コマンドを試みた時点で募集兵数がわかり、キャンセルすることもできる。) ゼロとなった募集兵数は1月と7月に復活するようだ。
外交
- 懐柔成功率については前述した。
- 懐柔コマンドを成功すると士気は上がる。失敗すると士気は下がる。
- 黥布は項羽勢力となっている場合、外交交渉をしなくても親睦度が上昇することがある。
移動・戦闘
- 敵の軍隊は都市を目標にして移動する傾向がある。
- 空白都市を放っておくと味方諸侯を含めた他君主が入城することもある。直接支配したいなら、早めに手を打ちたい。
- 敵の伏兵がいる可能性があるなら、原則として1マスずつ移動するほうがいい。
- 移動時に敵の伏兵を発見できることも多い。
- 伏兵に攻撃されると一方的に大ダメージを受けて、移動も終了してしまう。
- 四方を囲んで攻撃すれば、敵は退却できない。
- ただし、都市以外を攻める場合は問題がある。戦後の自軍が分散して脆弱になるからだ。一つの対策として、四方を囲む4軍隊に加えて5つ目の軍隊を同行させる。5つ目の軍隊は包囲殲滅には参加しない。戦後に敵がいたマスへ移動して、隣のマスへの援軍に備える。
戦闘
- 一騎討ちで減る兵数は、一定の割合のような気がする。兵数で優っている側からの一騎討ちは、割に合わないかもしれない。
- 人物の体力は戦闘の最中にも回復する。
- 兵数をゼロにすれば、敵人物を逃がさずに捕らえることができる。
- 四方を囲むなどして逃げ場がない状態だと、不利になった敵は野戦で降伏することがある。
- 籠城側は一度だけ徴兵ができる。人口が多く支持率が高ければ多数を徴兵できる。
- 兵糧が足りなくなった軍隊は、待機しても士気が回復しなくなる。
- 攻城戦で城の防御度をゼロにして落城させれば、退却できなかった敵の兵士が丸ごと手に入る。ただし、欲をかきすぎると危険。
戦闘後
- 敵人物を捕虜にした時、登用を受け入れるか拒否するかは人物ごとに傾向がある。能力が高い人物が拒否したら処刑したほうがいいかもしれない。並みなら解放していい。
- 君主を解放すると、引き続き君主として存在している。
- 敵君主を滅ぼした時、敵の配下が独立することもある。独立する人物には傾向があるようだ。
ゲームレベル
- レベルが高くなると、コンピューターの移動・攻撃が活動的になる。項羽・劉邦直下勢力でない諸侯について特に言える。
- レベルが高くなると、明らかに負けるであろう戦闘を仕掛けてこない。
- レベルが高くなると、敵の兵数の増加が速くなる。
- レベルが高くなると、外交の懐柔成功率が下がる。
その他
- 都市数が10以上あるいは20以上になると、音楽が変わる。
- 同じ君主であっても、エンディングのメッセージが同じとは限らない。